コロナ以降宅配便の受け取り方として
徐々に浸透し始めてきた置き配ですが、
今年も残り半年を過ぎようとしているところで
つい先日以下のようなニュース記事を発見しました。

宅配ドライバーの自分からしても実に衝撃的なタイトルです。。。
記事の内容を簡潔にまとめると
国土交通省が宅配再配達を減らすために
「置き配」を標準化し手渡し配達には
追加料金がかかるような仕組みを検討し始めた
とのことでした。
まだ検討段階ではありますが
上記を踏まえて今回の記事では
- 手渡し有料化を検討し始めた経緯
- 手渡し有料化で再配達は減るのか
- 本当に手渡し有料化は始まるのか
以上、3点について詳しくお話していきます。
手渡し有料化を検討し始めた経緯

「置き配」を標準化し手渡し有料化にしようと
検討しはじめた一番の理由は再配達の削減です。
- 国土交通省の最大の課題「再配達の削減」
- 再配達削減を目指すのはドライバー不足解消のため
国土交通省の最大の課題「再配達の削減」
国土交通省は再配達の削減を大きな課題の一つとして
「今年(2025年)3月末までに再配達率6%」を目標に
取り組んでいましたが、昨年(2024年)10月時点で
ほぼ達成困難だったとのことです。
そこで今回再配達削減かつ宅配ドライバーの負担軽減
の両方に期待できる「置き配標準化+手渡し有料化」の
検討を始めることなりました。
置き配事態は2020年のコロナ流行以降Amazonをはじめ、
宅配大手も導入し少しずつ世間に浸透され始めました。
これは自分で配達している体感ですが、それでもまだ
6割近くのお客様が手渡しで受け取っていると感じます。
そうなると今回の政策は宅配を利用する半分以上の人が
無視することができない大きな政策になると思います。
再配達削減を目指すのはドライバー不足解消のため
ではなぜ再配達の削減を大きな課題に取り上げているのか?
それは昨今よく話題に上がる
ドライバー不足による物流の停滞
が主な原因になります。
ドライバーは年々不足していますが
宅配による荷物の個数は年々増え続けています。
そうなると
- ドライバー1人あたりの配達個数はどんどん多くなる
- 配送時間が増えて大変になり、ドライバーを辞める
- ドライバーが不足する
このような負のスパイラルに突入していきます。
この負のスパイラルを止めるため、国土交通省が目を付けたのは
再配達の削減ということになります。
手渡し有料化で再配達は減るのか

結論から言うと確実に再配達は削減されます。
それだけでなくドライバー負担も大幅に減ります。
次にどれくらい削減になるのか
それぞれの配達工程を交えてお伝えします。
- 置き配の配達工程
- 手渡しの配達工程
- 不在時の配達工程
置き配の配達工程
置き配時の配達工程は
- 配送先に到着
- 荷物を取り出す
- 置き配支持の場所に荷物を置く
この3工程で完了します。
1と2の工程はドライバーの経験値によって大きく変わりますが
3の工程だけなら一戸建てやアパートの場合
だいたいの場合は1分以内に配達が完了します。

タワマンや企業などオートロックや置き配場所まで
距離がある場合は1分じゃ無理です(笑)
そして置き配の場合はほぼ確実に不在で持ち戻ることはありません。
置き配場所が見つからなかったり、置き配場所までたどり着けない
ことが稀にありますが全体の10%以下にも満たないと思います。
手渡しの配達工程
手渡しの場合
- 配送先に到着
- 荷物を取り出す
- インターホンを押して在宅確認
- 受け取り時のサインをもらう(※アマゾンフレックスは不要)
このような工程になります。
ここで注目すべき点は3の工程のインターホンを押して在宅確認です。
配達していてよく言われるワードベスト3に入るのが

インターホンに出る前に持ち帰られた
です。
今回の記事ではこの部分の話は割愛させていただきますが、
仮に1件当たり1分待つとします。
日によりますが1日50件手渡しで配達するとなると
置き配時に比べ50分以上確実に時間がかかる計算になります。
不在時の配達工程
最後に不在だった場合ですが
- 配送先に到着
- 荷物を取り出す
- インターホンを押して在宅確認
- お客様に荷電
- 不在表の記入
- 不在荷物の処理
- 荷物を車に戻す
ご覧の通り4工程も作業が増えます。
そして1つ1つの作業時間も結構かかります。
特にアマゾンフレックスの場合IP電話を中継して
お客様に荷電するので通常の荷電より時間がかかります。
さらに言えばインターホンの際と同じ「出る前に切られた問題」も
考慮すると1件当たり4~5分はかかると思います。
仮に1日の不在が10件あったとしたら
さらに追加で40~50分かかる計算になります。
難しい計算は省きますが
置き配標準化+手渡し有料化で
手渡し配達件数が全体の5%未満に減るとしたら
再配達荷物は少なくとも2.3パーセント以下、
1時間以上の作業時間短縮になると思います。
以上の配達工程をご理解いただけると
いかに置き配標準化⁺手渡し有料化が
再配達の大幅削減に繋がるかお判りいただけると思います。
本当に手渡し有料化は始まるのか

100%とは言えませんが80%の確率で手渡し有料化は
始まると思います。
その理由としてこの政策をAmazonや宅配大手などの
運送会社が検討しているのではなく、国土交通省が
検討していることに信憑性を感じます。
ましてや掲げた「再配達率6%」削減目標を達成できなかった
となれば、今まで以上の政策を掲げて目標達成を目指すと思います。
そして国土交通省というTOPからの政策であれば
ほぼすべての宅配を取り扱う配送業者が
「手渡し受け取り有料化」に応じることになります。
一度やってみってみてあまりにも弊害が多い場合は
再検討・廃止という流れも考えられますが
基本的には一度やってみる方向で動くと思います。
終わりに

ここまで手渡し有料化に関するメリットばかりの内容
だったと思いますが、当然置き配標準化に伴う盗難や
破損、置き配業者を装った強盗事件などのデメリット
なども十分考えられます。
またAmazonは紛失した際に代替え商品を用意することは
可能ですが、代替え商品を簡単に用意できない荷物を多く運ぶ
宅配大手はどのような対応をしていくのか
個人的には非常に気になります。
そういった置き配に伴うデメリットの詳細はまた別の記事で
お話しできればと思います。
そして1つ思ったこととして今回検討中の政策は
普段から手渡しで必ず受け取ってくれる人たちを
捲き沿いにするようなかたちになっているとは思います。
以前、別の記事の中でも書きましたが
個人的には
「再配達の有料化+再配達の連絡があるまで配達しない」
こっちを先に試してみてからでも良いのではと思いました。
これなら普段手渡しで受け取る人にも影響がなく、
再配達も削減できると思います。
ただ新規の荷物が多すぎて不在を保管しておく場所が無い
かもしれないし、そもそも手渡し有料化の料金設定によっては
全く効果が無いかもしれないなど、、、
今回読んだ記事で今後の配達がどうなっていくのか
ドライバーとして期待と不安でいっぱいになりました!
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